SNS広告は効果があるのか?~事業成果に対する広告効果~

XICA Analysis Insight
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スマートフォンが普及し、SNSの利用者数は増加し続けています。企業でSNS広告運用を担当されている方の中には、SNS広告の予算増額を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、SNS広告が本当に効果的なのかどうかをサイカの分析知見からご紹介します。

SNS利用者の変化

<SNS利用率の変化※1>

上図の通り、SNSの利用率は全体的に上昇傾向にあります。特に、LINE、Instagram、Tiktokは近年特に利用者が増えているSNSです。

※1)総務省 統計調査データ 通信利用動向調査より集計、「いずれからも利用していない」と回答した人以外で集計

SNS広告の効果

利用率が上がっているSNSですが、SNS広告を出稿した際、どのくらいの効果が見込めるのでしょうか。

どうやって検証したのか

サイカは、MMM(※2)ツール「MAGELLAN(マゼラン)」を使い、「業界ノーム値」の算出に取り組んでいます。

「業界ノーム値」とは、簡単にいうと各業界の平均のこと。「平均・基準」を意味する「norm」という英単語がもとになっています。業界ノーム値は、同じ条件で何度も繰り返しデータ収集・分析を行うことで、マーケット全体の基準値を割り出します。

業界ノーム値がわかると、各業界で効果を出しやすい施策や、施策ごとの一般的な効果性など、業界の傾向を把握できます。

今回は、この業界ノーム値を使い、「SNS広告は事業成果にどのくらい寄与しているのか」の観点で検証しました。

※2)MMMとは、オンライン(Web広告・SNS広告など)・オフライン(テレビCM・新聞・雑誌など)を問わず、さまざまなマーケティング施策が成果に与える影響を定量化できる効果測定手法です。各施策の効果を正しく把握するだけでなく、施策同士の関係性や相乗効果を数値化できるのが特徴です。

MMMについてはこちらの記事もご覧ください。

SNS広告の効果

まず、SNS広告がどのくらい効果のある施策なのかを見てみましょう。

下の図は、SNS広告とその他の広告を「費用」「獲得量」「獲得効率」の3軸で表した図です。

<広告施策の効果と効率の傾向(全業界※3)>

※縦軸:獲得量、横軸:獲得効率、バブルの大きさ:費用
※認知施策を9グループ(TVCM、チラシ、新聞、雑誌、ラジオ、OOH、動画広告、ディスプレイ広告、SNS広告)に分類した時の関係性をプロット

この図を見ると、SNS広告※4はほかの施策と比べて、3番目に効率が良い施策であることがわかります。しかし、出稿金額(バブルの大きさ)を見ると、まだまだ出稿金額は少ないです。

※3)サイカの保有する分析結果から算出

※4)SNSに出稿した広告はすべてSNS広告として集計

SNS広告の効果が高い業界

次に、どの業界がSNS広告と相性が良いのかを見てみます。「獲得量」「獲得効率」の2軸で、10の業界を比較したのが下の図です。

<10区分業界※5におけるSNS広告の比較>

※縦軸:獲得量、横軸:獲得効率
※全体平均を基準としたときの関係性をプロット

この図を見ると、業界ごとにその効果に大きな差異があることがわかります。

  • 獲得量も多く、効率も良い:「不動産・住宅設備」
  • 獲得量は多いが、効率はいまいち:「医薬品・生活用品・化粧品・トイレタリー」「外食・各種サービス」
  • 獲得量は多くないが、効率が良い:「耐久消費財」「情報・通信」

※5)商材を10業界に分けた区分

どの媒体でSNS広告を出稿するべきか

商品特性やターゲットとの親和性を考慮することで、SNS広告で大きな成果を生み出している事例は多く存在します。しかし、SNS広告の出稿を検討される際によく聞くのが、「どの媒体でSNS広告を出稿すれば良いのかわからない」というお悩みです。

ここからは、サイカの過去の分析から得た知見をもとに、媒体毎の特性を加味した傾向をご紹介します。

① Twitterは、リツイートとコンテンツが鍵

Twitter広告はユーザーのリツイート等での拡散性が強いことが知られています。MAGELLANによるMMM分析でも、リツイートで広く拡散されたことにより、効率よく事業成果に寄与したと推察される事例があります。

また、高い成果を上げたTwitter広告の共通点として、「拡散性と相性の良いコンテンツ」が挙げられます。

例えばアニメとのコラボや通常よりお得に購入できるキャンペーン等、拡散されることで通常興味関心のない潜在顧客へのアプローチが成功し、その結果として成果の増加に大きく貢献した事例が多くあります。Twitter広告を検討される場合は、コンテンツを工夫することでより効率的に成果獲得を見込めます。

② 女性向け商材は、Instagramと相性◎

ターゲット別の効果も、業界ノーム値で確認できます。

<SNS広告の媒体別効果(全業界、F1,F2)※3>

※縦軸:獲得量、横軸:獲得効率、バブルの大きさ:費用

F1層(20歳~34歳の女性)、F2層(35歳~49歳の女性)をターゲットに含む商材に絞ってSNS広告効果を確認すると、SNS広告の中でもInstagramの効率が最も良いことがわかります。女性向け商材を扱う場合は、Instagramへの出稿強化が推奨できるといえます。

※3)サイカの保有する分析結果から算出

オンオフ統合分析で継続的に効果を把握し、最も効果的なマーケティング運用を

今回は、SNS広告の効果を業界ノーム値を使って検証しました。

他の広告施策と比較しても、SNS広告の獲得効率は良い傾向にあります。

特にTwitterでは拡散性を狙ったコンテンツとのコラボ、InstagramではF1、F2層をターゲットとする場合、効率よく成果に寄与することが数字からも見て取れました。

このように目的、ターゲットに合わせた媒体を選定することでより成果獲得やその効率を向上させることができます。

今回ご紹介した広告施策の関係性については、あくまでも統計処理したデータから算出した傾向であり、個社の傾向と必ずしも一致するものではありません。

昨今では個人情報保護の規制強化に伴い、これまでと同様のトラッキングによる手法で広告効果の検証をすることが難しくなりつつあります※6。MMMでは統計的なアプローチで、個人の特定を必要としない手法で広告効果を検証することができます。

SNS広告をはじめ、広告効果の検証にお悩みの際は、MMMという選択肢をご検討ください。

※6)サイカニュースリリース 2022年4月7日発行

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