メディアミックスの概要 & 予算配分の最適化のベストプラクティスと注意点

コラム
マーケティング広告

「メディアミックス」とは?

「メディアミックス」とは、「テレビ」「新聞の折り込み」「電車の中吊り広告」や「ダイレクトメール(DM)」「インターネット広告」など、さまざまな媒体(=メディア)を組み合わせて(=ミックス)より多くの消費者に宣伝することを目的として、多くの企業で採用されている広告手法です。

また後ほど詳しく説明しますが、さまざまな媒体を組み合わせる「メディアミックス」は

  • さまざまなライフスタイルの消費者に宣伝できる
  • メディアを変えて何度も訴求できる
  • 各メディアの弱点を補える

という利点があります。例えば、テレビを見ない人には「テレビCM」の広告は見てもらえませんが、パソコンを持っていれば、インターネットの広告は見てもらえるかもしれません。テレビも見てパソコンも持っている人にはシーンを変えて繰り返し訴求することができるため、その分印象に残りやすくなります。

また、マーケティング用語でも「メディアミックス」という言葉がありますが、こちらはコンテンツを原作として別のメディア(ゲーム化、ドラマ化など)に展開することを差します。例えばライトノベル(ラノベ)やマンガのアニメ化、映画化、ゲーム化などがそれに当たります。こちらも重要なテクニックになりますが、今回は「広告」としての「メディアミックス」に焦点を充てて行きます。

「メディアミックス」の詳細

先ほどお伝えしたように、「メディアミックス」では複数メディアで広告を展開することで、消費者の目に触れる機会を増やすことが目的です。

では普段消費者が触れているメディアにはどのようなものがあるでしょうか。人に何かを伝えるためのツールは全てメディアであると考えると「テレビ」「ラジオ」「雑誌」「新聞」などのほかにも「看板」「デジタルサイネージ」「電車の中吊り広告」「チラシ」「ダイレクトメール(DM)」「お店のPOP」といった情報もメディアと言えます。また、インターネット(オンライン)でも数々の広告施策があり、「リスティング広告」「SNS広告」「バナー広告」「動画広告(YouTubeなど)」などネットでも情報を目にする機会が多くなっています。

では、複数のメディアで訴求するメリットはなにか。前章で「メディアミックス」の特長は「さまざまなライフスタイルの消費者に宣伝できる」「メディアを変えて何度も訴求できる」「各メディアの弱点を補える」としました。ここでより詳しく具体的な例も交えて説明します。

さまざまなライフスタイルの消費者に宣伝できる

各メディアごとに得意とする消費者の層が違ってきます。例えば、訴求する相手が女子高生だったら、新聞は見ずにファッション誌を見るかもしれませんし、ビジネスマンだったら、SNSは開かないけど新聞は見るかもしれません。主婦だったら、ラジオは聞かないけどテレビはよく見ているかもしれないなど広告の種類によって、リーチできる層が変わってきます。他にも多種多様なライフスタイルの消費者がいるため、抜け漏れなく自社の製品を宣伝するためにはさまざまな角度から訴求することが重要です。

メディアを変えて何度も訴求できる

1人の消費者への訴求回数が増えると広告効果がアップします。一度しか見ていない広告は記憶に残りませんが、「メディアミックス」では、1人に対して数多くのメディアを使って訴求できるため、その分記憶にも残りやすくなります。先の例でいうと、友達とファッション誌を見た女子高生が家に帰る途中にSNSで同じ広告をみるかもしれませんし、ビジネスマンは通勤中に電車の中吊り広告で朝見た新聞の広告と同じものを見るかもしれません。主婦はテレビCMでみた商品を買い物の途中、デジタルサイネージで見るかもしれません。何度も繰り返し目にすることで消費者は、その製品に親近感を持ちやすくなります。

各メディアの弱点を補える

「さまざまなライフスタイルの消費者に宣伝できる」と近いのですが、各メディアはそれぞれ強い点と弱い点があります。例えば、テレビCMは多くの消費者に宣伝することが可能な反面、時間の制約で情報を絞る必要があります。一方で雑誌などの紙媒体では宣伝効果は読者に限られますが、時間の制約がないため伝えたいことをしっかり伝えることが出来ます。

このように数多く存在するメディアや広告手法をうまく組み合わせ、目に触れる機会を増やし、各メディアの弱点を補うことで広告効果を最大限まで高めることが出来ます。

「クロスメディア」とは?

複数のメディアを組み合わせる「メディアミックス」に似た手法として「クロスメディア」と呼ばれる手法があります。「クロスメディア」は1つの商品やサービスに対し、複数のメディアを用いて訴求を行う手法です。概要だけだと「メディアミックスと同じでは?」と感じると思いますが、どちらも「浸透」を目的としていますが広告の打ち方と「浸透」の意味合いが違います。

メディアミックス

  • ほぼ同じ広告を展開
  • 認知度を上げることが目的
  • 「浸透」のイメージ:【横】広める

「クロスメディア」の広告の打ち方と狙い

  • 基本的に同じ広告は使わない
  • 広告を見た消費者を別のメディアに誘導して情報を補完し合うことが目的
  • 「浸透」のイメージ:【縦】深める

例えば、テレビCMなどで「〇〇で検索」や「続きはWebで」などの案内を見たことはないでしょうか?これが「クロスメディア」の手法の1つで、多くの消費者にリーチ出来るCMを起点とし、より詳しく紹介しているWebサイトへ誘導し情報を補完しようとするものです。チラシなどの紙面に載っているQRコードも足りない情報をWebサイトで補完するという意味で同じです。

このように「メディアミックス」と「クロスメディア」は戦略が大きく異なりますが、複数のメディアを用いて広告を打つことは共通しています。

メディアミックスを行う上での注意点

複数のメディアを展開する「メディアミックス」を取り入れることで、多くの顧客獲得のチャンスが生まれることはご理解いただけたと思います。ただ、現実問題として全てのメディアで広告を出すことは難しく、ほとんどの企業がメディアを絞って広告を出すことになると思います。その際に基準とされているのが、「CPA(顧客獲得単価)」です。CPAは、1件のCV(商品購入などの成果)を得るためにどのくらい広告費が掛かったかを表すもので、

広告費用÷CV=CPA

で算出出来ます。

例えば、200件のCVを獲得するのに100万円の広告費が掛かった場合は

【広告費】100万円÷【CV】200件=【CPA】5000円となり

その広告施策では、顧客1人あたり5000円の広告費が掛かったことになります。

「メディアミックス」を考える際には、施策ごとのCPAを算出して基準にすることが多いと思います。CPAは広告費を考えるときに重要な指標になりますが、CPAのみで判断するとうまくいかずに失敗する確率が高くなります。

例えば、CPAが高い(費用対効果が悪い)という理由でテレビCMを打ち切って、その分をCPAの低い(費用対効果のいい)インターネットの広告に注ぎ込んだとします。その結果、売上が下がることもあります。 効率がいいはずの広告に費用を投じたはずなのに、何故売上が下がってしまうのか

答えは、消費者は購入前にいくつものメディアに触れているためです。テレビCMを見て興味を持った消費者がインターネットの広告も見て購買に至るケースが多かった場合、テレビCMを削ることで、本来獲得出来るはずだった顧客を失うことにもなります。

ではどうするべきなのか . . .

「メディアミックス」を行う際は、
広告全体を見て検討すること、
・個別施策のCPAを絶対的なものとして扱うのではなく、あくまで1つの指標と捉えて考える

ことがポイントで、各メディアの特長と関係性を考慮し、取り入れるべき広告施策を吟味していく必要があります。

事例資料の無料ダウンロード

変化の激しい時代、事業成果を最大化するための広告投資の最適化方法とは?

メディアミックスに関するまとめ

「メディアミックス」とは、さまざまな特長を持つメディアを組み合わせることで、消費者の目に触れる機会を増やし、認知度を高める広告手法です。取り入れることで「さまざまなライフスタイルの消費者に宣伝できる」「メディアを変えて何度も訴求できる」「各メディアの弱点を補える」というメリットがあります。

ただし、全てのメディアで広告を出すことは現実的に難しいため、多くの企業でメディアを絞ることになると思います。その際に注意するべきことはCPA(顧客獲得単価)のみで判断しないこと。広告全体を見て、各メディアの特長と関係性を考えて選定することが「メディアミックス」成功のカギになります。

サイカでは、「メディアミックス」を実践するうえで「最も効果が出るメディアを組み合わせて、無駄なく効率よく宣伝したい!」とお考えの担当者様をサポートをいたします。

具体的には、「消費者がどのようなプロセスで購買に至るケースが多いのか」を分析し、明らかにすることで「本来獲得出来るはずだった顧客を失う」などの機会損失を減らすことが出来ます。

また、その際に効率的な予算配分も分析することで「予算の使いすぎ」や「予算を掛けるべき施策」を明確にし、予算内における広告効果の最大化についてもご提案しております。

この記事を読んだ方におすすめの記事